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大学院の後輩から質問を受けた。どうやったら講義でAの成績が取れるのか。
名古屋商科大学ビジネススクールは原則として2年制である。ただ、早期卒業の道もあって、同期には一年で卒業した超優秀な奴もいた。一年半で卒業する人も結構いて、私もその一人である。 早期修了、優良学生表彰、創立者奨学金。頂戴したものを言葉にして並べると対したものだ。これ以外にも2週間フランスに留学させていただき、2つの講義でAとA-という非常に良い成績を頂いた。後輩が尋ねてくるのも当然で、普段の講義でもたくさんAの成績を頂いた。 でも、あえて言いたい。これらは私が優秀だったからではない。むしろ誰よりも優秀じゃなかったから。入学当時はクラスで交わされている言葉さえ良くわからないほどの落ちこぼれだったからに他ならない。 最後の半年を除き、Aという成績を取りにいったことは一度もない(最後の半年は狙っていったところもある。結果は4講義中A3つ、B1つ)。そもそもAなんてとれると考えたこともなかった。2年間、自分の知らない世界を旅する、そんな気持ちだったのだ。 では何故そんなに良い成績をもらうことができたのか。理由は2つある。 1. 自分は決して頭が良くないのだから、先生だけじゃなく一緒に学んでいる学生の方からもたくさん学ぼう。 2. もし自分が何かを学ぶことができたら、それをできるだけ他の人に伝えよう。 そして取った行動が2つ。 1. 講義の時は必ず1番前の席に座る。 2. 講義中に必ず手を挙げて質問したり、意見を言ったりする。 たったこれだけ。私が1年半の在学中にしたことは本当にたったこれだけだ。もちろん予習も復習もたくさんした。課題をこなすために家に帰る時間を惜しんでホテルをとったことも一度や二度ではない。でもそれらは、この4つを確実に実行するためにとった行動にすぎない。講義中に質問しようと思ったら、予習は欠かせないし、他の人に何かを伝えようと思ったら、時間を惜しんで発表資料を作成しなければならない。 最終的に優良学生表彰という栄誉を頂戴したとはいえ、最初から順風満帆だった訳ではない。実は最初の半年間はAは一つ。優良学生表彰どころか、1年半の早期修了だって不可能なレベルの成績だった。 次の半年に、ほとんどの講義でAを頂戴し、フランスでの成績もあって創立者奨学金を頂くのだが、これには明確な理由がある。後輩ができたことである。 それまで、最初に決めた通り、先生だけじゃなく、一緒に学ぶ学生の方々かからも学ばしていただいていた。それはある意味自分勝手なことだったように思う。講義に貢献するというよりは、自分が学ぶために他の人を利用していたとも言えるからだ。ところが後輩ができたとたんにその意識がシフトする。 2009年の4月に入学した後輩達は、正直恐怖を感じるくらい優秀で、このままじゃ本当に落ちこぼれてしまうと感じていた。学歴もキャリアも、自分とは比べることさえできない。ところが最初の講義のグループディスカッションで気付く。彼らも不安なんだ。 パワーポイントによるプレゼン資料作成は、やったことのない人には結構難しい。ロジカルに考えろ、と言われても、それまでの自分の思考形式を変革することは、それほど簡単なことじゃない。優秀な学歴と素晴らしいキャリアを持つ後輩達は、実は戸惑い何かをつかもうと先輩達を見ていた。 まがりなりにも(本当にまがりなりだが笑)半年間ビジネススクールで学んできた経験は、彼らにとって貴重なものだった。彼らを圧倒することは簡単だったかもしれない。はったりは通用しただろう。でもそれでは最初に決めた自分の決めごとを守れないことになる。誰かを引き上げることが自分の力になると、その時に明確に気付いていた訳じゃない。でも最初の半年に先生方、先輩方、同期の仲間達から色々なものを頂いて、自分が何も提供しないなんてあり得ないと思った。「お前は自分勝手に色々な物を手に入れたんだろ? だったら次は誰かに何かを提供するべきじゃないか?」 強い自意識が働いていたことは否定できない。かっこわるいことはしたくない、というヒロイズムが働いていたことも事実だ。でもそれは自分自身を高める最大の要因になった。 誰かに教えることは、実は自分が一番学んでいることだ。人に言う言葉は、同時に自分自身に発信するメッセージでもある。人に何かを言う時は、「お前はそれができているのか?」と常に問いかけるようになった。人の意見を素直に聞けるようになったと思う(少なくともある程度は(笑)) 講義で、少なくとも名商大の講義でAをとることは簡単だ。シラバスにも書いてある。「講義に貢献すること」。 「講義に貢献する」とは、参加している全ての人々に貢献することだ。誰の意見に対しても真剣に考え、賛成でも反対でも意見を発すること。それがたとえチンプンカンプンな意見であっても何も発信しないよりは良い。なにも発信しなければ考えるきっかけなんて与えることはできないから。 発信しよう。ときには無理矢理にでも反対意見を述べてみよう。そこから得られる学びは、先生が話す理論よりも遥かに価値があると思う。ビジネススクールで学ぶ理論だけなら、そこらの書店に並ぶ本の中に全て書いてある。理論を学ぶことが大切な訳じゃない。本当に大切なのは、自分がものごとをどんな風に見ていて、どんな風に考えるかを知ること。世界は広い。自分が世界だと思っていたものが実は単なる井戸であったと知ることが大事だと思う。 「井の中の蛙」という言葉がある。「井の中の蛙、大海を知らず」と言うものだが、実はこれは途中である。本当は、「井の中の蛙、大海を知らず。されど空の青さを知る」。 井の中の蛙には2種類いるということだ。視点を一つに固め、自分の見える世界が全てだと思うもの。でも見える世界が一つじゃないと考えることができた時に、空を見つめる視点を持つことができると感じている。
by EM-LYON
| 2010-09-12 01:45
| MBA
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