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経営学は有益な学問である。
経営学で教えられる理論は多くの場合個人にも適用可能だ。最も一般的な3Pや4C、SWOTといったフレームワークは、そのまま個人に当てはめることができる。それを形にしたのが、勝間和代さんや本田直之さんをはじめとする著名なビジネス書の著者の方々である。 私はビジネススクール時代、企業が成長を追い求め続けることに疑問を感じていた。成長、拡大を繰り返せば、銃鈍な恐竜と同じく、環境の変化に対応する俊敏性を失い、自らの首を絞めることにつながるのではないのかと。企業には適正なサイズがあり、ある大きさになった時点で、拡大を止めることが正しい方法論なのではないかと思ったのだ。しかし、企業を個人に置き換えてみると理由は明確になる。 転職市場に身を置いてみるとよくわかる。成長しない個人は転職市場では見向きもされない。試しに数多ある転職支援のサイトに登録してみよう。登録してすぐは、いくつかのオファーが届く。しかし、登録してある自分自身の情報をアップデートしないと、すぐにオファーは来なくなる。定期的に新たなスキル、知識を獲得していかないと、あなたはあっという間に市場価値を失うのだ。 成長を止めた個人は(企業も)、常に自分自身の市場価値の陳腐化と向き合わねばならない。それはフロー収入を得ず、貯金を崩しながら生きていく様に似ている。新卒一斉入社という仕組みへの問題点が盛んに議論されているが、問題は新卒一斉入社にある訳ではなく、安定という無形のものを追い求める考えにあるように思う。どれほど大きな家に住んでいたとしても、天災という外部環境が全てを洗い流すリスクが常に内在していることを忘れてはならない。 野中郁次郎先生と竹内弘高先生の共著である『知識創造企業』に、かつて日本企業が、不確実性の世界でいかにして連続的イノベーションを作り出して来たかが説明されている。 組織外の市場、技術、競争条件、製品などの変化を予測しながら、未来を構想することである。 不確実性の時代には、企業は頻繁に組織の外にある知識を求めざるを得ない。日本企業は、どん欲に顧客、下請け、流通業者、官庁、そして競争相手からも新しい洞察やヒントを求めた。ちょうど「おぼれる者はわらをもつかむ」ように、必死で外部知識を取り込んだのである。 不確実性の世界で市場価値を失わないためには、個人も企業と同様、外部意識を取り込み、未来を構想しなければならない。そして、暗黙知と形式知を行ったり来たりさせる、「表出化」「連結化」「内面化」「共同化」(『知識創造企業』第3章参照)を繰り返し行うことが重要だ。これを個人で行うことは、中原淳先生と金井壽宏先生の『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する (光文社新書)』に描かれている「内省」に他ならない。 自分自身の価値を自分自身に問い続けること。これは自分で自分の身を削るような辛い作業だが、それなくして成長はあり得ないのではないかと思っている。
by EM-LYON
| 2010-09-21 07:09
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