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マイケル・ルイス著の「マネー・ボール」は非常に興味深い一冊だ。この本がどの様な本であるかは、461ページの1文(丸谷才一氏による解説)に凝縮されている。
「マーク・ガーソンといふ銀行家はこの本を評して、『単にマイケル・ルイスのベスト・ブックであるだけではなく、これまでに書かれた最上のビジネス・ブック』と言つたさうだが、これは決して褒めすぎではない」 「マネー・ボール」は小説風に書かれたノンフィクションだ。読んでて面白いし、読んでて面白いとは小説において最も重要な要素である この本で最も重要なのはメジャーリーグの1球団アスレチックスのGMビリー・ビーンの視点だ。ビリーが野球界に取り入れたのは株式市場では一般的なこと。すなわち「本来価値よりも安く放置されているモノを買う」「本来価値よりも高く評価されているモノを売る」「確率統計的に正しい投資をする(株式市場ならインデックスファンドに投資する)」ということ。ビリーが最も重視したのは、打率でも盗塁率でもなく出塁率。また野球で最も大事な数字は3。すなわちアウトカウント。盗塁はアウトになる可能性が高いのでしない。送りバントなんてとんでもない。アウトカウント3つまでに得点をとることが大事なんだ。 ビリーの考えは多くのメジャーリーグ球団には受け入れられなかった。なぜ? ルイスは言う。「野球界はビジネスじゃない。クラブなんだ」 お互い持ちつ持たれつ。どこかの球団を首になっても別の球団が雇ってくれる。だってかつてはメジャーリーガーだったんだし。これ何かに似ていないだろうか? 既得権益層が目指すものはわかりやすい。現状維持。だって今のままの方が自分にとって都合がいいんだもん。野球界にビジネスの視点を取り入れる? 勘弁してくれ。そんなことしたら俺の仕事がなくなるじゃないか。都市経営? 冗談だろ。都市は経営するんじゃなくて運営するんだよ。あと数年で逃げ切れる俺たちがね。 都市経営に関して重要な要素は学問的にある程度明らかになっている。都市経済学者のリチャード・フロリダが明らかにしている通りだ。優秀な人材を引きつける魅力ある都市になること。そのために重要なのは多様性、多様性、多様性。 言葉だけじゃダメだ。大阪を再生させるためには言葉の正しい意味において多様性を追求する必要がある。大阪に英語(別に中国語でもいいけど、現在世界で最も使われている言語が英語だから)だけで授業する大学を作ろう(高校でもいい)。大阪に中華街やインド人街やアラブ街を作ろう。大阪をアジアのトロントにしよう。 「マネー・ボール」のあとがきに面白い一文がある。トロント・ブルージェイズがアスレチックスと同じ経営方針を採用した際に、ブルージェイズのメンバーに占める白人の割合が増えたことについて。 「さまざまな文化の溶け合うこのトロントという大都市なのに、トロントの球団はリーグの中でも一番白人が多くなっている。なぜか?」 大阪が東京に打ち勝ち世界的に重要な都市となるためにはトロントと同程度に多様性を要求する都市になる必要がある。
by EM-LYON
| 2011-12-04 00:24
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