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ライフネット生命の岩瀬大輔さんに初めてお会いしたのは約一年前。その時に言われた一言は今でも覚えている。
「元トラックの運ちゃんだってこと、もっと早く教えてくれたら良かったのに! スッゲー面しろいんだからアピールしなきゃ損だよ」 その時の私の返事は、「なんだか引け目みたいに感じているので」というものだった。当時はとっさにでた言葉で、なぜ自分がそんなことを言ったのかよくわかっていなかったが、今なら少しわかる気がする。仲間には「元トラック運ちゃんがMBAなんて取ったらオモロいやろ?」なんてうそぶきながら、実は「ただの」MBAホルダーになろうとしていたのだ。 差別化とは「他とは違うこと」をすることを意味する。企業でも個人でも変わらないが、「他とは違うこと」をする為に様々な努力をする。企業なら、市場や競合の分析をしてみたり、消費者のニーズを探ろうと様々施策を取るだろうし、個人なら雑誌やテレビ、インターネットなどを駆使して、いかに自分なりの差別化を図ろうかと試みる。 しかし、ふと気がついてみると、自分たちが同質化の罠にはまっていることに気づくのだ。同じような製品やサービスを提供する企業があふれ、同じようなカッコをした人たちが町にあふれていること気づくまでに、それほど時間は必要ない。 これは別に、「結局は人と違うことをすることが怖いんだ」という訳ではないと思う。ある分野に特化していくことで(例えばファッション)、人は(企業も)その分野に詳しい「専門家」になり、エキスパートでなければ理解できない「違い」に気づくようになる。細部を見れば確かに人とは違うのだが、全体を見ると、調和をとろうとして中庸化していっていることに気づくのだ。 酒井穣さんがブログ「読むべき1冊 『ビジネスで一番、大切なこと』」の中で書いている。 「有名大学を出て、外資系コンサルティング企業に就職し、MBAを取得し・・・で、これ以上どのようなスキルを磨けば自分の市場価値が増すというのか、という疑問に直面している若手に、僕は出会ったことがあります。」 市場価値と差別化はもちろん同義ではないが、このようなキャリアを持っている方はたくさんいるだろう。私が岩瀬さんにあった時に、「外資系企業に勤めていて、MBAを取るためにビジネススクールに通っています」と言ったとしたら、彼は何の興味も抱かなかったに違いない。だってそんな人はゴマンといるもの。 元トラックの運ちゃんであったこと自体に引け目を感じたことは一度もない。だって面白かったし、おっきなトラックに乗り込んだ時のなんともわくわくする感じは、今思い出しても「いいなあ」と思う。しかし、MBAを取る為にビジネススクールに通う中で、自分が周囲の友達と調和をとろうとしていたような気がする。つまり、「外資系に勤めるMBAホルダー」らしくなろうと(なんとなくだけど)していたんじゃないか、という気がするのだ。だから、岩瀬さんの一言への答えが、「引け目」なんて言葉が出て来たのだろう。 元トラックの運ちゃんがMBAをとろうなんて、何だかストーリーがありそうで面白そうだ。人はストーリーに引かれる。人気のあるビジネス書は、いわゆるノウハウ系じゃなくて、著者のストーリーにフォーカスを当てた物が多い。勝間さんが自分のダメだったころのことを書くのは、そこにストーリーがあるからで、だからこそこれほどまでに人気が出たように思う。 元トラックの運ちゃんが、英語を勉強し外資系企業に勤め、MBAを取りました。ここまでは良いんだけど、これで終わっちゃったら、ただの「外資系のMBAホルダー」ということになっちゃう。そういう意味で、自分にはまだこれからのストーリーがあるんだって思ったりもする。 ハーバードビジネススクール教授のヤンミムンさんの『ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業』を読んで、こんなことを考えていました。素晴らしい名著、お勧めです。
by EM-LYON
| 2010-09-02 23:02
| MBA
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